竹久夢二「自画自賛」より(『文章倶楽部』大正八年九月号)
2007年 06月 20日
ふたりをば
ひとつにしたとおもうたは
つひかなしみのときばかり。
二人の上にかなりの月日が流れた。処に馴れ生活に馴れ運命に馴れて
二人があり得ることを感謝する念がなくなったから
二人はもうまったく別々な生活の感覚を持つやうになった。
それでも人生の路上には運命の恐ろしさを感じて
一つの線上で心が触れ合うときがある。
悲しみの涙の中に二人の心が漂ひながらいつか抱合ふ。
by superkavi
| 2007-06-20 01:13
| 言葉のエナジー