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詩・その他


by superkavi

お料理


悲しさに耐え切れず
なんでもいいから玉葱を剥くことにした

ぽろんぽろん
一皮二皮

ぽろんぽろろん
目が痛い

鍋に玉葱突っ込んで
悲しみと憎しみの下味で
グツグツグツと

心をちぎってバラバラ入れて

目を腫らしながら
ぽろろんぽんと流れ出る
涙も鍋に入れましょう

煮込んで憎しんで悲しんで

元の形が分からなくなるまで
ことことこと

誰にも気づかれないように
そっと蓋


(2003年4月9日の作品)
# by superkavi | 2007-10-11 02:03 |

探し物


脳をばらして
君の記憶を捜してみたけど
どーこにもいないんだな

誰だっけ?

僕の胸が開いてその奥から
はずかしいラブソング

ああ
これは君の歌
僕の心を震わせる

この世でたった一人の

ああ、そうだ

君は僕の好きな人


(2003年4月1日の作品)
# by superkavi | 2007-10-11 02:00 |

理由



湧き上がる孤独は癒えることなく
ただ戦いの日々のみがくり返される

傷つきそれでも立ち向かわねば
明日の事すら見えては来ない

なぜここに生きているのか
どうして生まれ出でたのか

そんなことを考えたとて
心の始原なぞ見つかろうはずも無い

ああ、まだ見ぬ人よ
この世に生きてあるのなら
ともに生きてあるのなら

再会の喜びを涙で語ろう

互いの傷口で結ばれよう

それまで僕は
砂を噛んで耐えていよう


~(2003年1月5日の作品)~
# by superkavi | 2007-09-23 00:51 |



泣きたい時は泣けばいい
涙を流せばそのぶんだけ 
君は優しくなれるから
そして
少し強くなれるから

涙は美しい水の惑星の
あたたかい贈り物

命を潤す水も
生命を育んだ海も
恵みの雨も

すべては君の涙の中

君の涙は
すべてのもの支えて廻る


~(2003年1月4日の作品)~
# by superkavi | 2007-09-22 18:07 |

恋歌



感じてごらん
暗闇であっても僕はいる
姿がみえなくても
声が聞こえるだろう
息遣いがわかるだろう
体温を感じるだろう

君がすべての五感を失ったとしても
君が望むならば
僕は君の夢のなかにだって現れよう

君が僕を必要としてくれる限り

たとえ僕の体が朽ち果てても
生きとし生けるものたちの中に
僕を見るだろう

あるいは風となって君に囁こう
雨となって君と共に涙しよう
木漏れ日となって共に微笑もう
荒らしとなって共に怒り狂おう
月光となって君を抱きしめよう

君がそれを望む限り
僕が消えてなくなることは無い


~(2002年7月25日の作品)~
# by superkavi | 2007-09-22 02:19 |