詩・その他


by superkavi

世の中にはいつも恋が溢れている
そこかしこ失恋も含めれば
見渡す限り恋が溢れる

若きものは知らぬ間に恋に墜ち
老いたものは過去のシグナルを見つめる
一方的に見つめるだけのものだから
きっと恋が溢れるに違いなく
一人で食べる命の糧が恋ならば
食べられなくて残された残飯だけが失恋と呼ばれる

選ばれなかったものは
消えていくより他になく
作られることのない片思い
売り込むこともされないままに

捨てたものは捨てられたものを忘れ
忘れられた残飯で露命をつなぐ人がいる
思い出の残骸だという人もいるだろう
それでも人は求めることを辞められず
放り出されたむき出しの寂しさを
見知らぬ肌のダンボールで温めようとする

ただ
共に作り、笑い、食べ、眠る
温めあって一緒に泣いて
生きてそして死んでいく
誰かと二人で居たいのです

一人で食べて満足な
そんな恋はいらないのです
世の中に溢れていても

捨てるぐらいの愛でいいから
もしそんなものがあるのなら
抱きしめあって眠りたいのです
捨てるぐらいの

愛でいいから
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# by superkavi | 2007-06-04 14:11 |

『紅い薔薇』


互いの心に根をはって
咲いてくる花がある

咲いた花なら散るのが定め
散った花びら互いに撒いて
毒の花でも祝福を

悲しいときには涙を注いで
楽しいときにも涙を注いで
間引いた葉っぱを握り締め
今日もあしたも育てよう

青い薔薇なら祝福を
赤い薔薇なら救われる
黄色の薔薇でも薔薇は薔薇
たとえばそれが薔薇でなくても
あなたと二人で薔薇と呼ぶ

心をつないで咲く薔薇の
棘に心が裂かれても
互いのくちびる裂け目ふさいで
淋しく渇く二人の心に
そっと雨を降らせよう
あなたと二人で痛みに打たれて

赤い薔薇
その花言葉が愛であるのは
あなたと二人流した血潮で花弁の色が染まるから
互いの裂けた傷から流れる
二人の心の軌跡が織り成す
たった一つの
タペストリーなのだから
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# by superkavi | 2007-06-03 21:09 |

『パッション』


愛するということに
答えはない
愛したということにも

そしてきっと

という言葉の中にすらも

かつて死神がこう言った
神様は信心深い人にしか現れねえっていうだろ?
それに引き換え俺様は
貧乏人でも、金持ちでも、信心があろうと無かろうと
どんな善人にも、罪人の前にでも
きちっと現れるんだ
そんなに俺を嫌わねえでくれ

死の寛容さが死神のいうように万人のものならば
死は愛よりも人に近しい存在だ
我々を分け隔てなく愛してくれるのは
ひょっとしたら
死神かもしれない

でも我々は愛を持ってはいないから
昨日も今日もそして明日も
無いものをねだって生きている
愛を持たないから
死神だって、死だって
愛することはできやしねえ

遺伝子の二重螺旋は俺と君
どちらが欠けても存在し得ない
二つをつないでいるものを俺は
勝手に愛と名づけよう
愛でなくてもかまわない
君が見ているものと俺が見ているものが
違ったっていいんだ
つないでいるものを
愛と俺は名づけよう

螺旋が作るエナジーは植物の螺旋を経て
銀河の渦を形作る
死が二人を別つといえども
あの銀河の中心で俺達は死ぬことはない
新たに死神を仲人として

つながるということが
距離を越え、時を超え
死すらも超えていけるものだったならば
それを愛だと名づけても
俺はいいって思ってる
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# by superkavi | 2007-06-03 20:42 |